自己免疫疾患

【自己免疫疾患とは】

自己免疫疾患(Autoimmune Disease)とは、免疫システムの異常で、本来ウイルスや細菌などの外部の異物を認識して排除するための免疫システムが、自己の正常な細胞や組織に対して過剰に反応し攻撃してしまう病気です。自分の細胞や組織に対しては免疫寛容(Immune Tolerance)と言って、通常、免疫反応を起こさないようになっていますが、自己免疫疾患では免疫寛容が機能しないで、自分の細胞や組織に対する抗体、自己抗体(Auto Antibody)が陽性となり、様々な自己免疫疾患を発症します。膠原病(Connective Tissue Disease)、リウマチ性疾患(Rheumatic Diseases)という呼び方も自己免疫疾患とほぼ同じ意味で使われます。

【自己免疫疾患と特異的自己抗体】

自己免疫疾患の種類と症状は多様です。いくつかの自己免疫疾患には特異的または非特異的な自己抗体が陽性になることが知られており、それをもとにスクリーニング、検査、診断していきます。自己免疫疾患には、全身性に自己抗体が出来るものと、特定の臓器に対して自己抗体が出来るものと、に二分されます。

全身性自己免疫疾患

・関節リウマチ(抗CCP抗体、MMP-3、リウマトイド因子)

・全身性エリテマトーデス(抗ds-DNA抗体、抗Sm抗体、抗核抗体、他)

・全身性強皮症(抗セントロメア抗体、抗Scl-70/トポイソメラーゼI抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体、抗核抗体、他)

・多発性筋炎/皮膚筋炎(抗Jo-1抗体、抗ARS抗体、他)

・混合性結合組織病(抗U1-RNP抗体)

・シェーグレン症候群(抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、抗核抗体、他)

・抗リン脂質抗体症候群(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、他)

・顕微鏡的多発血管炎(MPO-ANCA)

・多発血管炎性肉芽腫症(PR3-ANCA)

・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(MPO-ANCA)

・半月体形成性糸球体腎炎(MPO-ANCA)

臓器特異性自己免疫疾患

・バセドウ病(抗甲状腺レセプター抗体、他)

・橋本病(抗サイログロブリン抗体、抗ペルオキシダーゼ抗体、抗甲状腺マイクロソーム抗体、他)

・自己免疫性肝炎(抗平滑筋抗体、抗核抗体、他)

・原発性胆汁性胆管炎(抗ミトコンドリア抗体、抗核抗体、IgM高値、他)

・自己免疫性膵炎(抗核抗体、IgG高値、他)

・Ⅰ型糖尿病(抗ランゲルハンス島抗体、他)

・重症筋無力症(抗アセチルコリン受容体抗体)

・ギランバレー症候群(抗ガングリオシド抗体)

・多発性硬化症(抗アクアポリン4抗体、他)

・グッドパスチャー症候群(抗基底膜抗体)

・自己免疫性溶血性貧血(抗赤血球抗体、他)

・巨赤芽球性貧血(抗内因子抗体、他)

・特発性血小板減少性紫斑病(抗血小板抗体)

他、原発性硬化性胆管炎、結節性多発動脈炎、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、成人スティル病、ベーチェット病、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、クローン病、なども特異的な自己抗体は発見されていないものの、何らかの自己免疫疾患であると考えられています。他にも多くの稀な自己免疫疾患がありますが、専門医の範疇になりますので割愛します。

【自己免疫疾患の診断】

それぞれの自己免疫疾患には診断基準があります。また、特異的抗体が見付かっていない自己免疫疾患、新しい概念で診断基準もまだ確立していない自己免疫疾患など、非常に多彩です。お茶の水内科では、症状や病歴、スクリーニング検査等の結果から何らかの自己免疫疾患が疑われる場合、速やかに膠原病、リウマチ、自己免疫疾患の専門医に紹介し、詳しく調べてもらっています。


 

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