心臓CT

【心臓CTとは】

心臓CT(Coronary Computed Tomography Angiography)とは、心臓の血管に狭窄や梗塞などの異常がないかを詳しく調べる検査です。冠動脈CT(Coronary CT)とも呼ばれ、CTと造影剤を用いて、心臓の血管、冠動脈を造影します。心臓の血管の検査で一番詳しい検査は心臓カテーテルによる冠動脈造影(Coronary Angiography: CAG)検査ですが、侵襲的であり、原則入院が必要です。最近の心臓CT検査は心臓カテーテルに匹敵するレベルの詳しい評価が出来るようになって来ており、外来で可能な心臓の検査のうちで最も詳しい検査の代表です。詳しくは国立循環器病研究センターのページをご覧ください。

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph64.html

【冠動脈とは】

心臓の血管は冠動脈(Coronary Artery)と呼ばれ、右冠動脈と左冠動脈(Left Coronary Artery: LCA)の2本の血管があります。左冠動脈はさらに3つの部位に分けて呼ばれます。

・右冠動脈(Right Coronary Artery: RCA)

・左主幹部(Left Main Trunk: LMT)

・左前下行枝(Left Anterior Descending Coronary Artery: LAD)

・左回旋枝(Left Circumflex Coronary Artery LCX)

これらの血管が詰まりそうになると狭心症、完全に詰まってしまうと心筋梗塞です。心臓の血管、冠動脈に狭窄や梗塞などの異常がないかを詳しく調べる検査が心臓CTです。

【心臓CTの費用や時間】

保険適応の場合、3割負担で、1万円程度です。時間は検査自体は15分くらい、全体で90時間前後あれば大丈夫でしょう。心エコー、ホルター心電図、心臓MRIなど他の検査を追加する場合はそれぞれ追加の検査代、時間が掛かります。また、特に何も症状はないけれどなんとなく心臓が心配という場合、保険適応外で心臓ドックとなり、ドックの費用が掛かります。

【心臓CTの注意事項】

・造影剤を使う検査です。造影剤アレルギーがあったり、中等度以上の腎機能障害など、造影剤を使えない理由がある場合は検査が出来ません。気管支喘息、アレルギー体質の方も程度によっては注意です。造影剤と相性の悪い薬もありますので、必ず主治医に確認ください。

・CT検査ですので、少なからず放射線被爆があります。妊娠中、妊娠が疑わしい場合は検査が出来ません。心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動器、脳動脈瘤クリップ、人工関節など、体内に金属や電子機器が埋め込まれている場合、検査を避けるべきか、十分な精度の検査が出来ない場合があります。放射線被曝の程度としては、毎月撮るものではありませんので、年に一回くらいは大きな問題はないというイメージでよいかと思います。

・不整脈や頻脈の場合、体動や不随意運動を制御出来ない場合、30秒間程度の息止め指示等に従えない場合は十分な精度の検査が出来ない場合があります。不整脈や頻脈に関しては抗不整脈薬等である程度コントロール可能です。高度の石灰化病変がある場合、冠動脈内部の評価が難しいケースがありますが、実際に検査をしてみないとわかりません。

・症状、既往歴、禁忌事項、その他様々な背景因子から、心臓MRI、心臓カテーテル検査、ホルター心電図検査、など他の検査の適応と判断される場合もあります。

【心臓CT検査の流れ】

お茶の水循環器内科では主に「心臓画像クリニック飯田橋」さんに心臓画像検査を依頼しています。

心臓画像クリニック飯田橋→http://www.cviclinic.com

(1)お茶の水循環器内科から検査の予約を取ります。営業時間外の場合はご自身でご予約の取り方をご説明します。その際に検査の注意事項、前日、当日の確認事項を説明します。

(2)予約当日、飯田橋にある心臓画像クリニックに向かいます。予約時間の30分前までには到着するようにしましょう。受付後の流れをざっくり言うと、問診、検査の説明、注意事項の確認、着替え、待合室で検査を待ちます。検査の順番になったら検査室に呼ばれます。心臓CT自体は15分間程度です。検査後はその日のうちに医師から検査結果の説明があります。もし緊急で対応が必要な状態であると判断された場合は、速やかに適切な医療機関へご紹介という体制です。詳しくは心臓画像クリニックさんのページをご覧ください。

http://www.cviclinic.com/flow.html

(3)お茶の水循環器内科に検査結果の報告書が届きますので、後日説明を聞きにいらっしゃってください。異常なしであれば異常なしという説明、治療が必要であれば適宜適切な治療、追加の検査が必要であれば適宜その手配と、それぞれ診察を進めていきます。

【まとめ】

心臓CTは外来で可能な心臓の検査のうち最も詳しい検査の代表です。心筋梗塞を起こす前の段階での対処が非常に大切です。冠動脈疾患のリスク因子である高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、大量飲酒、冠動脈疾患の家族歴、脳血管疾患や末梢動脈疾患など他の動脈硬化性の疾患の既往、リスク因子のある方は早めに主治医までご相談ください。


 

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