高血圧症

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【高血圧症とは】

高血圧症は一番多い心血管疾患のリスク因子です。塩分の摂り過ぎ、運動不足、喫煙、お酒の飲み過ぎ、加齢などが関係しています。高血圧症は特に症状がないことので放置してしまいがちですが、血圧が高い状態が何年も続くと動脈硬化の原因となり、脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、腎機能低下など、様々な血管の病気の原因になります。早期であればあるほど正常値に戻すことが可能ですので放置せず早めにご相談ください。

【高血圧症の診断】

家庭血圧で140/90を超える場合に高血圧症と診断します。家庭血圧で140/90を超えていなければ大丈夫です。検診や病院の診察室では血圧が変動してしまう人も多いので普段の日常生活における家庭血圧が重要です。緊張時や運動直後などに一過性に血圧が140/90を超えても普段の血圧が落ち着いているようであれば様子見で問題ありません。毎回、家庭血圧で140/90を大きく超える数値が続いている場合は放置せずに必ず主治医に相談しましょう。

【高血圧症の治療】

高血圧症の治療は大きく、食事療法、運動療法、禁煙、節酒、血圧を下げる薬と5つに分かれますが、方法はなんであれ血圧を正常値にしっかりと戻しそれを維持することが大切です。

・塩分の摂り過ぎは血圧を上げる大きな要因です。食事は減塩を心掛けます。減塩というと薄味にしなくてはと思われる方が多いですが、血圧に関しては塩分が少なければそれで構いません。コショウ、唐辛子、わさび、カラシ、にんにく、生姜、みりん、だし、ゆず、山椒、シソ、スパイスなどで味付けを愉しむことは問題なしです。一方、塩、醤油、味噌、ソースなどには塩分がいっぱい含まれていますので摂り過ぎに注意です。減塩を続けていると人間の味覚も少ない塩分に次第に慣れて来ますので塩味に対する感受性が元に戻り、少ない塩分で美味しく食べられるようになります。

・運動は全身を使った有酸素運動が大事です。適度な運動であれば運動の種類にこだわり過ぎる必要はありません。大切なのは生活習慣として続けられることですので、ウォーキングでも何でもいいので、普段の生活で続けられる運動を選びましょう。理想の週の半分以上、天気がよい日は二駅くらいは歩く、休憩時間にオフィスの近辺を一周歩く、など日常生活の中で取り入れられる運動がよいでしょう。

・喫煙は明らかに血圧を上げる原因です。理想は禁煙です。禁煙までいかなくても少しでも煙草を減らせば、減らした分だけ血圧は下がります。

・飲酒は適度な飲酒であれば少しだけ血圧を下げますが、過度な飲酒は血圧を上げる要因になります。個人差も大きいですが、適度な飲酒とはアルコール換算で20gを超えない程度、過度な飲酒とはアルコール換算で60g以上が目安です。ビールであれば400ml程度、ワインであれば200ml、日本酒や焼酎であれば1合程度です。ついつい飲み過ぎてしまうことが多いので気を付けましょう。

【高血圧症の薬】

高血圧症の薬、降圧薬には様々な種類があります。食事療法と運動療法を組み合わせても十分に血圧が下がらない場合、血圧の値によってはまずは薬でしっかり血圧を下げてそれから生活習慣を改善して血圧を管理していく方法もあります。自分のスタイルにあった血圧の下げ方を主治医とよく相談しましょう。血圧の薬を一度飲み始めると一生辞められなくなるのではないか?というご質問に対しては、第一に血圧を正常値に戻すことが目標ですので、その手段は何でもよいです。具体的には、血圧の薬を飲み始めて、例えば収縮期血圧が150から130に下がったとします。すると、薬で下がっている分の効果は20前後と考えられますから、食事と運動でしっかりと血圧を下げ、例えば半年後に収縮期血圧が110くらいでしっかりと安定したとすれば、その後、薬を辞めたとしても血圧は130前後に戻るだけですので、薬を辞めても大丈夫と判断します。下記にお茶の水内科でよく使う薬をまとめました。

・アムロジン(アムロジピン)、アダラート(ニフェジピン)、昔からあるカルシウム拮抗薬という降圧薬です。安く確実に下がります。高用量でむくみに注意です。

・アジルバ(アジルサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)、ブロプレス(カルデサルタン)など、ARBと言われる降圧薬です。確実な降圧効果があり、腎臓や心臓を保護する作用があるというのがウリです。

・レニベース(エナラプリル)、ACE阻害薬と言われる降圧薬です。心筋梗塞後の二次予防ではARBよりACE阻害薬のほうが好まれる傾向があります。2割くらいの患者さんで空咳が出ますが、大丈夫であればそのまま継続して問題なしです。

・フルイトラン(トリクロルメチアジド)、利尿薬です。降圧効果を上乗せしたい時、心不全や浮腫みを取りたい時に使います。頻尿に注意です。

・アーチスト(カルベジロール)、メインテート(ビソプロロール)、心筋梗塞後や頻脈で血圧も下げたい場合に使います。心筋梗塞後は心機能保護と心筋梗塞再発予防の目的でほぼ必須で使います。

・アルダクトン(スピロノラクトン)、セララ(エプレレノン)、心不全や浮腫みを取りたい時、他の利尿剤と一緒に電解質のバランスを取りたい時に併用します。心機能保護作用を期待して使うことも多いです。

・ラジレス(アリスキレン)、直接レニン阻害薬という薬です。高血圧症の中で、血圧を上げるホルモン、レニンが高値のタイプによく効きます。

・柴胡加竜骨牡蛎湯、降圧薬そのものではありませんが、イライラ、精神の高ぶり、ストレスなどが背景にあって血圧も高い場合に柴胡剤と呼ばれるグループの漢方でイライラ感も血圧もスッと落ち着く場合がしばしばあります。

他にも多くの降圧薬がありますが、このへんで割愛します。全ての薬には副作用がありますが、主治医はデメリット、メリットを総合的に考えて一人ひとりに最適な薬を処方しています。心配なことがあれば何なりと主治医またはかかりつけ薬局の薬剤師さんまでご相談ください。


 

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