インフルエンザ簡易検査

【インフルエンザとは】

インフルエンザとはインフルエンザウイルス(Influenza Virus)による感染症です。毎年冬場に流行し、高熱、寒気、関節痛、筋肉痛、頭痛、全身倦怠感などの強い全身症状が特徴です。普通の風邪との違いは、インフルエンザにはインフルエンザ治療薬があること、学校保健安全法で出席停止期間が定められていること、インフルエンザワクチンの予防接種によって事前に重症化を予防可能であることです。インフルエンザ、予防接種、予防投与については下記に詳しくまとめましたのでご覧ください。

・インフルエンザ→http://ochanai.com/influenza

・インフルエンザ予防接種→http://ochanai.com/influenzavaccination

・インフルエンザ予防投与→http://ochanai.com/influenzaprophylaxis

【インフルエンザ簡易検査の仕組みと限界】

インフルエンザ診断の補助として、インフルエンザ簡易検査がありますが、あくまで診断の補助ツールであり、特に発症早期の簡易検査の精度には限界があることを知っておくことは大切です。「高熱が出てすぐに病院に行ったけど検査が早いとまだ検査は正確に出ないかも知れないと言われた」「熱が出てすぐに病院に行って検査したらインフルエンザ陰性と言われ、翌日まだ高熱が続きもう一回別の病院に行って検査をしたらインフルエンザ陽性だった」「職場でインフルエンザが流行っているのでインフルエンザではないという診断書をもらってくるように職場から言われたが、検査が陰性でもインフルエンザではないと証明は出来ないと説明された」などと言った話を聞いたことがあるかも知れません。これはどういう理由かと言うと、インフルエンザ簡易検査の仕組みとしてインフルエンザウイルスに対する抗原抗体反応を利用しているため、発症早期の時期の場合などウイルスの量が十分でないと、インフルエンザに本当は感染していても検査結果が正確に陽性と出ないこと、間違って陰性と出てしまうことが無視出来ないくらいに多いからです。

色々な報告やお茶の水内科での今までの診療の経験を総合すると、だいたい経験的なイメージとして、インフルエンザの症状が出現してからのインフルエンザ簡易検査の精度は、発症6時間以内では10-20%程度、発症12時間以内で40-60%程度、発症18時間以内で60-70%程度、発症24時間後でやっと90%以上といったイメージです。ですので、発症後早期であればあるほど、簡易検査の結果が陰性だからと言ってインフルエンザでないという証明が出来ません。特に発症前、発熱も何も症状がない時期は当然陰性と出るだけなので検査をしても特に意味がありません。じゃあなんで検査をする意味はあるの?と思われるかも知れませんが、簡易検査の結果が陽性の場合にはその時点でインフルエンザであると診断出来るからです。こういったインフルエンザ簡易検査の特性と限界のことを、正確な医学用語で、インフルエンザ簡易検査は「感度が十分でない」「偽陰性が多い」、一方で「偽陽性は少ない」「特異度は十分に高い」などと表現します。いずれにせよ、発症早期のインフルエンザ簡易検査の精度には限界があるということを知っておくことは大切です。その場合は接触状況と臨床症状の二つから臨床的に診断、治療していく必要があります。

【お茶の水内科の診療方針】

お茶の水内科では、インフルエンザ流行シーズンでインフルエンザ感染者または感染が疑わしい人と接触したことがあり、かつ、インフルエンザに特徴的な臨床症状、急な高熱、寒気、全身倦怠感、関節痛が認められる場合、インフルエンザと臨床的に診断し、治療を進めて行きます。診断の補助として簡易検査をして、結果陽性が出ればインフルエンザであることは確定です。逆に「インフルエンザではない」という診断は、インフルエンザ簡易検査の感度が100%でない以上、厳密には誰にも出来ないのですが、現実的には発症から24時間以降経過しておりインフルエンザ簡易検査が陰性で、症状からもインフルエンザ以外の可能性が高い場合、インフルエンザでないと臨床的に診断します。必須ではありませんが、必要に応じて再検査を行うことも可能です。二回目のインフルエンザ簡易検査は保険のルール上、保険適応外になりますが、検査は可能です。以上、お茶の水内科の診療方針で今まで大きな問題は全く起きていません。「インフルエンザ簡易検査の結果が陰性だったのでインフルエンザではない」「インフルエンザ簡易検査で陽性ではないから薬は出せない」「一晩経ってからでないと正確な検査が出来ないから今日受診しても意味がないので明日受診するように」などと平気で言う医者がいると聞いたことがありますが、全くのナンセンスで、インフルエンザ簡易検査の仕組みと限界をしっかり理解していない医者の発言です。医療全てに言えることですが、精度100%の検査など世の中に存在しない以上、その結果を人間が総合的に判断することが必要です。そのために医師がいる訳で、検査は人間が使うものであり、検査に人間が使われてしまっては本末転倒です。いずれにせよ、インフルエンザの診断は接触歴と症状の二つによる臨床診断が基本であり、インフルエンザ簡易検査の仕組みと限界をちゃんと理解した上で、あくまで診断の補助ツールとして簡易検査を使い、その上で接触歴と症状などをしっかりと診察して医師として臨床的に診断、治療していくことが大切です。検査をするのならその検査の仕組みと限界までちゃんと理解しているかかりつけ医を持つようにしましょう。

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