百日咳

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【百日咳とは】

百日咳(ひゃくにちぜき)は咳が長く続くことが特徴の感染症です。原因は百日咳菌(Bordetella Pertussis)による感染症です。何も治療をしないと文字通り咳が百日ほどずっと続くことから百日咳と呼ばれています。原因は百日咳菌による感染症で、咳でうつります。学校やオフィスなどでしばしば集団感染が起こり問題となります。2016年春頃から、神保町、神田、九段下、水道橋、飯田橋あたりのオフィスビルで流行してしまっています。

【百日咳の症状の特徴】

最初、微熱やだるさなど普通の風邪っぽい症状があった後、一週間くらいしてから咳が出始めます。最初の症状の時期をカタル期と言って、この時期は症状だけでは普通の風邪と区別がつきません。その後、痙咳期(けいがいき)と言って、百日咳に特徴的な「発作性痙攣性咳嗽(ほっさせいけいれんせいがいそう)」と呼ばれる、込み上げるような頑固な激しい咳が始まります。風邪の後に咳が止まらない、今までこんなに咳が続くことはなかった、市販の咳止めを飲んでも薬が切れるとまた咳が出て治らない、咳のせいで寝れない、しゃべる時に咳が止まらなくなる、などの症状が百日咳を疑い検査をするきっかけになります。また湿り気や潤いで咳が少し収まる傾向があり、マスクをしていると少し咳が和らぐ、飴を舐めると少し落ち着く、なども百日咳を疑う咳の特徴です。熱はほとんどないか、あっても微熱程度のことが多いです。咳よりも倦怠感や呼吸をする時の胸の痛みなどの症状が目立つ場合もあります。咳だけずっと続いた後、回復期と言って段々症状は収まっていきますが、百日咳という名前の通り、完全に治るまで三ヶ月くらい掛かります。3週間以上咳が止まらない、そう言えばまわりにもずっと咳をしている人がいる場合、百日咳を始めとする咳の感染症を疑って診察を進めていきます。

【百日咳の検査】

採血検査で百日咳に感染しているかどうか調べます。百日咳に感染している場合、PT(百日咳毒素)やFHA(線維状血球凝集素)といった百日咳抗体が上昇します。マイコプラズマやクラミドフィラといった長引く咳の症状の感染症の有無も採血で同時に調べることが多いです。気管支喘息や咳喘息でも夕方、夜間、明け方の発作性の咳症状が出ますので、既往歴、小児喘息の既往の有無、喫煙歴、聴診など適宜診察します。他、慢性的な咳症状を来す疾患の疑いがあれば主治医の判断で適宜追加の検査を行うこともあります。特に、結核は見逃しては非常にまずいので、結核または結核疑いの人と接触した、接触した可能性がある場合は必ず医師に伝えてください。いずれにせよ、ただの普通の風邪で咳が2週間以上残ることはないので、咳が2週間以上続いていて全然止まらない場合は一度医療機関に受診しましょう。

【百日咳の治療】

百日咳菌に有効な抗菌薬で治療します。第一選択としてマクロライド系抗菌薬、特に3日内服して一週間効果のあるジスロマック(アジスロマイシン)という抗菌薬を使うことが多いです。治療は百日咳の咳症状がなくなるまで続けます。多くの場合、1週間または2週間で治ります。治療を開始するまで症状が続いている期間が長かった場合には治療が長引く傾向がありますが、最大3週間治療すれば百日咳感染症は治ります。百日咳感染症を起こすと感染症治療後も気管支が過敏な状態、刺激に対して咳が出やすい状態がしばらく残ることが多いので、3週間後以降にも咳が残る場合には適宜咳止めで対処します。

【百日咳の二次感染予防】

百日咳は咳でうつる感染症です。咳でうつるため、オフィスでワンフロアごと、オフィスビルごと集団感染することが多いです。咳だけだからと言って放置すると、社内で感染拡大を起こしてしまうだけでなく、お客さんやお取引先などにもうつしてしまいます。また小さいお子さんが百日咳にかかると重症な呼吸困難を起こしてしまうこともあり、二次感染予防の観点からも適切な検査、適切な治療が重要です。潜伏期間が2~3週間ほどと言われていますので、接触した後すぐに症状が出る訳ではなく、しばらくしてから咳が始まるので注意が必要です。咳が3週間以上続く場合は一度検査を受けましょう。まわりでずっと咳をしていて医療機関に行かない人がいたら受診を奨めましょう。また百日咳には百日咳ワクチンがありますので、百日咳ワクチンの予防接種は有効です。

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