ホルター心電図検査

【ホルター心電図検査とは】

ホルター心電図検査(Holter Electrocardiography: Holter ECG)は、外来で出来る不整脈の最も詳しい検査です。私たちの心臓は一日約10万回、脈を打っています。24時間全ての脈を記録して、異常がないかどうかを詳しく調べます。動悸や失神、目眩の症状の場合、まず第一に、症状の原因として心臓に異常があるかどうか、不整脈かそうでないか、が重要です。また不整脈を疑う症状であっても、発作的に症状が出たり出なかったりする場合、発作時の心電図波形の記録が確定診断のために極めて重要です。日常生活の中でも症状が出るタイミングが寝る前や睡眠中、早朝や通勤中の場合などは医療機関で心電図を記録することが難しいため、ホルター心電図の適応になります。

【ホルター心電図検査の流れ】

上図のように、胸に3ヶ所、電極を貼付します。上方の電極にはホルター心電図の本体があり、ここに24時間分の脈が全て記録されて行きます。以前に比べればかなり小型化が進み、洋服の下に隠れるようになりました。当院の採用しているホルター心電図は防水タイプであり、シャワーもお風呂も可能であり、検査の負担は大幅に軽減されました。ホルター心電図と一緒に、記録計または症状の記録用紙をお渡しします。動悸、胸痛、失神など症状の記録と、食事、トイレ、就寝と起床、生活を記録していただきます。その後、症状出現時と動作、ホルター心電図の脈の記録を照らし合わせて脈のデータを解析することが大事だからです。検査はホルター心電図を装着する時と、取り外す日と二日間連続して来院可能であることが必要です。当院では、検査のスケジュールを調整して、検査日を決めて、予約制でやっています。解析結果が届くのには一週間ちょっと掛かりますので、また後日に検査結果の説明をします。

【ホルター心電図検査の結果】

ホルター心電図の取り外しから一週間ちょっとで解析結果が届きます。24時間、約10万発の心拍が全て記録されています。症状と心電図波形を照らし合わせて、詳しく解析結果を見ていきます。症状とホルター心電図記録の波形の異常が一致すれば診断が確定します。逆に、症状出現時にホルター心電図で正常な脈が記録されている場合は、症状と脈は関係なしであることが確定しますし、一方で、ホルター心電図で期外収縮などの異常波形が記録されていてもその時に何の自覚症状も伴っていなければ、その場合も症状と脈は関係なしであることが確定します。稀に致死的な不整脈が発見されることがありますが、その場合は症状の有無に関わらずに精密検査を進めていく必要があります。ホルター心電図の検査結果は多岐に渡りますが、以下、代表的なホルター心電図所見をご紹介します。

・正常洞調律(Normal Sinus Rhythm: NSR)

不整脈なしという解析結果です。洞性頻脈(Sinus Tachycardia)、洞性徐脈(sinus bradycardia)など、緊張したり運動した時に脈がドキドキしたり、入浴中や少しお酒を飲んでリラックスした時に脈が大きくゆっくりになることで、正常な身体の反応です。不整脈がないことが確認出来れば、症状は心臓とは無関係であることが確定します。

・上室期外収縮(Premature Supraventricular Contraction)、心室期外収縮(Premature Ventricular Contraction: PVC)

最も多いホルター心電図の解析結果です。特別な心疾患がない健常者でも、期外収縮という脈は一日に何回か出ており、むしろ全く期外収縮が出ていない人のほうが稀です。何も症状を自覚していないことがほとんどです。期外収縮に一致して症状を認める場合、回数や出方に寄りますが、心疾患がなく、期外収縮以外に異常を認めない場合は基本的に経過観察で問題ありません。動悸症状が辛ければ症状を和らげる治療も選択肢としてあります。

期外収縮→http://ochanai.com/prematurecontraction

・発作性心房細動(Paroxysmal Atrial Fibrillation: paf)

心房細動という不規則な脈の異常です。リスク因子に寄りますが、脳梗塞の予防療法が必要です。

心房細動→http://ochanai.com/atrialfibrillation

・ST-T異常(ST-T Abnormalities)

運動時など、心臓に負担が掛かるタイミングでST-T異常という所見が認められる場合は狭心症(Angina Pectoris)を疑う所見です。心臓CTや心臓MRIなどで精密検査を進めて行きます。睡眠中や喫煙時に起こる場合、異型狭心症(Variant Angina)、冠攣縮性狭心症(Coronary Spastic Angina)というタイプの狭心症もあります。

心筋梗塞→http://ochanai.com/myocardialinfarction

・房室ブロック(Atrio-Ventricular Block: AV Block)、洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome: SSS)

徐脈性の不整脈で、失神や目眩の原因となります。重症の場合はペースメーカーの適応になります。精密検査を進めて行きます。

・心室頻拍(Ventricular Tachycardia: VT)、心室細動(Ventricular Fibrillation: VF)

頻脈性の不整脈で致死的不整脈です。心停止を防ぐため、埋込型除細動器の適応になります。精密検査を進めて行きます。

・睡眠時無呼吸症候群

不整脈ではありませんが、睡眠中の呼吸に障害を来たす病気です。ホルター心電図にて睡眠中の脈の異常をきっかけに睡眠時無呼吸症候群が見付かることがあります。

睡眠時無呼吸症候群→http://ochanai.com/sleepapneasyndrome

他にも多数の不整脈、ホルター心電図所見がありますが、割愛します。動悸や失神、目眩の症状で、発作性の症状、夜間や睡眠中、早朝や通勤中の症状の場合、安静時心電図では診断が付いていない場合、ホルター心電図検査の適応について一度ご相談ください。

PAGETOP